'04夏 中国への旅 その03 - 上海

8月3日(火)
上海(新開地, 豫園, 外灘, 上海博物館)
上海19:28 Z8

昨日行きそびれた周荘へ行こうと思ったけれど、それだけで一日がつぶれてしまうし、昨日豫園に行けなかったこともあるので、今日も上海市内を観光する事にした。朝食は昨日と同じ様な品揃えで和洋中折衷であったが、若干置いてあるものが異なっていた。ホテルのチェックアウトも特に問題はなく、ディポジットの200元も無事戻ってきた。今日は夜行列車に乗るため、荷物は全て持ち歩く。

新開地

まずは人民公園にほど近い、新開地という新しいポイントへ行ってみた。昔の煉瓦造りの建物を改装し、おしゃれなレストラン街となっている。時間が早いせいもあって、どの店も開いていないし、観光客の姿も数えるほどであるが、写真を撮るにはもってこい。街の一角だけなにやら別世界になっていて、確かに昔ながらの雰囲気の中に新しさがあって、中国とは思えない。

新開地も豫園も地下鉄の便が悪いので、豫園までぶらぶら歩いていくことにした。いくら上海が歩いて回れるほどの広さだと言っても、さすがに少々遠かった。特に荷物をたくさん持っていると疲れもたまる。小汚い通りを通ったり、自由市場があったり、きれいになったところばかりを見てきた目には結構新鮮で、中国らしい?ところもまだまだあるのだなと感じた。

豫園

豫園に着くと、まずは小龍包屋を見てみるが、やはり今日も朝早くから列ができていた。そのすぐそばに豫園の入り口があり、入場料を払って豫園に入る。ここ豫園は、非常に狭いエリアにこれでもかというくらい中国式庭園や建物が押し込められている。それでも外の喧噪とは異なり、ゆったりした空気が流れている。ちなみに、歩き方は元より、マップルでも全ての建物を紹介し切れていない。

ぐるりと一周して見てきたら、お昼にもちょうど良い時間だったので、適当な店に入って昼食とする。地元の人が行くような店ではないが、そんなにかしこまった店でもなく、喫茶店のような店だった。食べたのはジャジャ麺に小龍包。ジャジャ麺は盛岡で有名になっているが、元々中国のものだとは思わなかった。小龍包はもちろん上海の点心として有名で、とりあえず食べてみたのであるが、普通の味だった。

地下鉄の駅が近くにないので、ぶらぶらバンドまで歩いていった。昨日より天気が良くてかすんでいなければ、また展望台に登ることも考えたのだが、昨日よりもかすんでいて、テレビ塔もきれいに見えない状態だった。なので、すぐさま撤退して昼間の南京東路をぶらぶら歩き、途中にある中国全土でも有名な、お茶屋の天福茖茶へ行ってみることにした。

南京東路

店員は日本語が少ししゃべれるということだったが本当に単語だけで、英語もしゃべれなかった。なんとなく良さそうなお茶を選んで購入した。100g千円だと日本でもまずまずのお茶といえるが、中国の物価からすればかなりの高級茶になる。ちなみに、中国では様々なお茶を飲んでおり、中国なら烏龍茶と思っているのは日本人くらいである。緑茶にも砂糖を入れるのには参ってしまうが。

南京東路を歩き通し、一通り上海の見所は網羅した。しかし、15時を過ぎたくらいで夜行列車の時間まで、まだ時間がある。ということで、上海博物館へ行ってみることにした。中国4千年の歴史は台湾の故宮博物館に所蔵されており、中国本土で残った物の中で一番所蔵品が多いところがここ上海博物館である。中国一の博物館と言ってもよいだろう。

上海博物館

近年新築されたバームクーヘンのような建物の中に、確かに様々な、しかもたくさんの展示物があり、じっくり見ていたら一日十分見て回れる。しかし、じっくり見て回るつもりもなかったし、なんといっても連日歩き通しで疲れた。一フロア見て回る毎に休憩した。外は相変わらず暑いので、クーラーの利いた館内でぎりぎりまでねばり、閉館時間で外に出た。そして、地下鉄で上海駅へ向かった。

列車は19時過ぎの出発なので、早めの夕食を食べておくことにする。駅近くのコンビニで飲み物などを調達し、カフェテリア形式の中国おなじみのレストランで夕食にした。地元の中国人達は何皿も取って食べまくっているのだが、2皿も取れば十分である。2皿で12元(170円)と非常に安いのであるが、あまりおいしくないのは相変わらず。中国人の庶民の味は、日本人には合わないということだろうか。

夕食も食べ終わり、そろそろ駅に向かおうと思ったところ、広場に大きなテレビ画面が設営されていて、サッカーアジア杯が行われていた。なんと今日は日本戦である。前回の準々決勝では、反日感情の高い重慶で行われたこともあり、今回もスタジアムでは反日感情むき出しである。しかし、ここ上海の人々は冷静で、日本の惜しいシュートにも声をあげていた。全ての中国人が反日というわけではない。

上海駅の軟席専用待合室は、ピアノが真ん中に置いてあったり、ゆったりしたソファがあったり、冷房は当然完備で、まさにVIPルーム。硬席の待合室は普通のベンチしかない。北京までは130km/hの高速列車でも12時間かかる距離であるが、大幹線を裏付けるかのように、5本の高速夜行列車が7分おきに次々に出発していく。しかも20両くらい接続している車両のほとんどが軟臥車両である。

軟臥車

寝台車は日本のものとほぼ同じだが、一人一人のカーテンはない。4人用のコンパートメントとなっており鍵がかけられるようになっているのは、トワイライトエクスプレスの開放寝台と同じといえる。残り3席は大学生くらいの姉妹と母親の家族連れだったが、その娘は5分おきにメールを受信してはメールを書くという状態で、携帯電話が手放せないという日本人と変わらない状況だった。

狙ったわけではないのだが、5往復あるうちの3往復が北京までノンストップ便になっており、夕食まで付いているという。すでに夕食は食べてしまったが、付いているなら仕方がない。機内食のようなお弁当を食べた。単にお弁当ではなく、暖めてあるところがまた機内食チックで良い。新しい車両のためか、特に激しい揺れも無く、無事に寝ることができた。


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