'24GW 南北大東島の旅 その5 - 北大東島

5月1日(水)
南大東島9:0010:00北大東島
燐鉱石貯蔵庫跡上陸公園北大東漁港ハマユウ荘(昼食)沖縄最東端の碑沖縄海
ナイトツアー(19:30〜23:00)

ハマユウ荘

朝外を見てみると、一面真っ白だった。なるほど、これだと飛行機が降りられるわけがない。しばらくすると霧も晴れてきたので、一昨日と全く同じ状況なのだろう。当然のごとく、朝の那覇からの飛行機は一時間遅れで到着していた。

あっそうか!

朝6時から開いているスーパーミナミに行って、朝のおにぎりを調達する。南大東島らしいお菓子「あっ!ソーカ」というお菓子が売っていたので買ってみる。月桃の風味が漂うかりんとう。そういえば。多良間島にも「ぱなぱんぴん」という素朴なお菓子があったっけ。素朴としか形容できなかったが。

宿はトイレもシャワーも共同で、昔ながらの素泊まり宿だったが、宿の女将は元気なかぼちゃ娘で、XやYouTubeをやっていて楽しい人だった。かぼちゃ娘とは、かぼちゃの収穫時期にバイトに数カ月来ているうちに、そのまま結婚して住んでしまっている人のこと。かなり多いらしい。

南大東島は、昔ながらの日本の田舎の雰囲気を残す最後の地域だと思った。それもこれも交通の不便な地域で、さらに産業はさとうきびくらいしかなく、八重山と違って観光客も少ないので、とり残されてしまったのだろう。交通の不便さで言ったら、小笠原が日本一不便なところだが、移住者が多いので昔ながらといった雰囲気が少なく、やはり南大東島の昔ながらの雰囲気にはかなわない。

乗船

8時に宿を出発して西港まで送ってもらう。ここには待合室があるので待っていると、ほどなくして係の人が来てくれて、北港まで車で送ってくれる。到着は8時半。出発までにはまだ時間があるが、待ってましたと言わんばかりにもう一人と一緒に籠に乗って、クレーンで船に移動される。まさに大東島名物クレーン乗船で、船が岸壁に接岸していないという驚くべき状態も垣間見えた。

北港

船に乗ると、落ち着く間もなく出港する。まだ9時じゃないよと思うが、飛び込みで乗る人なんていないから、飛行機と一緒で乗る人が全員集まったら、時刻通りに出発を待つ必要はない。なんとなく荷物が少ないのは、今や飛行機で運んでしまうからだろうか。南大東島を離れると、船を固定していたロープを外しに小型の船が降ろされていた。港側だけでロープをつないでも固定できず、反対側も海の中にロープで固定している。

大東ブルー

海の色はまさに大東ブルーで、小笠原のボニンブルーに匹敵する青さ。前方には北大東島、後方には南大東島を見ながら、あっという間に北大東島に到着する。時刻表では一時間かかることになっているが、30分で北大東島の北港に着いてしまった。

北港 北港

しかし、ここからが大変だった。南大東島と同じく桟橋もないので、クレーンで小型船を下ろして、港と反対側にロープで船を固定する。それが終わると港側を固定する。この作業に30分くらいかかる。堤防もないので、岸壁との波のうねりで船はすさまじく揺れる。むしろ、航行中の方がスタビライザーが働くので、揺れが少なさそうだ。やっと降りられるかと思っても、籠で順番に降ろされるので、今日は二回に分けて降ろされた。日帰りで南大東島に向かう人は、大きな荷物は船内に置いておいても良いとのこと。日帰りで南大東島に戻る人が一定数いるらしい。

ハマユウ荘

本日の宿はハマユウ荘。北大東島はそんなに大きな島ではないので、自転車で回ろうと思っていたが、あまりの暑さに車なしでは厳しそう。ということで、昨日電話でレンタカーの空きを確認した。ハマユウ荘のレンタカーはあいにくいっぱいだったが、もう一つのうふあがりレンタカーは、スタッフが沖縄本島の支店に出払ってしまっていて、北大東島には誰もいないらしい。だが、車の鍵はかかっていないから、勝手に乗ってもいいよ、とのこと。昔の西表島のようなノリでなかなかに良い。ただし、本来はレンタカー屋が港まで迎えに来てくれるのだが、誰もいないから迎えにも来れない。宿の人に港まで迎えに来てもらい、宿に荷物を置いたら、レンタカーの営業所まで1kmくらい歩いてレンタカーを借りに行く。

燐鉱石貯蔵庫跡 燐鉱石貯蔵庫跡

レンタカーを無事ゲットし、まずは燐鉱石貯蔵庫跡へ。大正から昭和25年まで、燐鉱石の採掘で潤った北大東島。西港近くには、その当時の建物や遺構が残っていて、国指定の史跡に指定されている。特に一番目を引くのが、トロッコを丸い屋根の下に並べて、上から燐鉱石を落とす施設と、海にそのまま駆け降りる坂道。

小さな島の見どころとしては見ごたえあるが、これだけのためにわざわざ観光客も来ないだろうというのが本当のところ。ちょっとずつ修復作業をしているそうだが、壊れたまんまの方が歴史的遺跡として良いのではないかと思うのだが、そういう公共事業も離島維持の仕事なのだろう。集落が島の中央と西港近くに分散しているのも、この燐鉱石採掘従事の人の街が西港近くにあったからと思われる。

西地区緑地公園 国標

西港すぐのところに、きれいに整備された西地区緑地公園がある。誰もいないのに、公園だけは見事。その一角に国標がある。明治時代に、無人島だった北大東島を日本の領土として明確にしたときに建てられたもので、よく探さないとわからないところにある。

上陸公園

海沿いに少し走ると上陸公園。先人が初めてこの島に上陸したポイントだという。断崖絶壁の島にあって、確かに海まで下りられる。

北大東漁港

さらに進むと、南大東島と同じような要塞化した北大東漁港がある。正式名称は、南大東漁港北大東地区。南大東島の漁港とセットで造られたので、こんな名前になったのだとか。

貨客船だいとう フェリーだいとう

北大東島の見どころは島の西側に集中しているのだが、空港と一緒に東側に行く以外は行くところがなくなった。なので、船を降りた北港へ行ってみる。貨客船「だいとう」は夕方までそのまま停泊している。船が着いたときは人が多く活気があったが、今は誰もいなくて、船の中に見張りの人がいるだけだった。船の周りをうろちょろしていると怒られた。

燐鉱石貯蔵庫跡 りんこう交流館

お昼になったので昼食を食べたいところだが、北大東島では一択で、ハマユウ荘しかない。そのため、宿に戻るしかないのだが、その通り道にある燐鉱石貯蔵庫跡をまた見て回る。海沿いの燐鉱石を積みだす遺構ばかりが目につくが、石造りの建物も歴史があり、りんこう交流館として復元した建物は、登録有形文化財に指定されていて、居酒屋としても利用されている。

離島といったら、店も宿も食事処も個人でやっているのが当たり前だと思うのだが、どうやらハマユウ荘は会社のような感じで、アルバイトを雇ってシステマチックに動く感じだった。500人くらいしか人口がいない島で、アルバイトが集まるのかと思うのだが、沖縄本島と行き来しやすいので、住み込みで集まってくるのかもしれない。聞いた話では、北大東島の住民は、本島の方が安いので、島に家を建てる人はほぼ皆無で、沖縄本島に家を建てるそうだ。

大東そば 島すし

昼食メニューは、トンカツとか焼肉定食とか、大東島どころか沖縄っぽくもない。唯一、大東そばと島寿司があったので頼んでみた。大東そばは、南大東島と同じ麺とは思えないムニュムニュな感じ。まぁ、まずくはない。島寿司は白身だけでなく、赤い漬マグロもあって不思議な感じ。北大東島でないと食べられないという物がなくて、残念だった。

北大東空港

昼食が終わったら、少し早いが宿にチェックインすることができたので、荷物を置いて少し休憩。飛行機の到着に合わせて、島の東側にある北大東空港へ向かう。今日も南先行なので、15時前に飛行機は到着した。南大東空港となんら変らない。売店は飛行機の到着に合わせてオープンするのも南大東空港と同じだが、唯一驚くべきことに、御翔印が空港に売っていない。売店で聞いたら、ハマユウ荘で売ってなかったですか?だって。

たしかに、宿に販売していると書いてあったが、やはり空港で買いたいよね、ということでわざわざ来たのに、空港には売っていないとは。自分は泊まっているから後で買えば良いが、御翔印購入だけを目当てに飛行機だけで北大東島を目指す人は、必ず一泊入れないといけないということだ。ネット情報によると、まれに売店で買える時もあるそうだが、かなり入手困難な御翔印と言える。メルカリで売れば大儲けできるかもと思ったが、購入は一人二枚までだそうで。

沖縄最東端の碑 沖縄海

あまりにもやることがないので、飛行機の出発を待たずに空港を出る。空港の東側の道を進むと、沖縄最東端の碑がある。北大東島は沖縄県で一番東側にあるので、こんな碑を立てているが、これまたこのためにわざわざ北大東島まで来ようとは思わないだろう。自転車で回っている人は、北大東島に泊っていても、ここまで来るのはなかなか厳しい。

そのすぐ横には、南大東島と同じく、岩盤をくりぬいて作った海水浴場があり、沖縄の海に似ているから沖縄海だという。おいおい、ここは沖縄じゃないのかよ。まぁまぁ波が高くて、下手すると簡単に波にさらわれてしまいそうだ。

北大東島御翔印

宿に戻って、無事御翔印ゲット。大浴場が開く17時を待って大浴場に行くと、もちろんだれもいなくて快適。本当は先週で終わりだったようだが、なぜかわからないが今日も入れてくれるとのこと。

刺身 モズク酢

夕食も選択の余地なくハマユウ荘のレストラン。普通の居酒屋メニューといったところ。北大東島のじゃがいもの焼酎ぽてちゅうも置いていなくて、とにかく旅行者のためのレストランではない。やっぱり、酒が飲めなくても、車で「島人酒場トロっこ」に行けば良かった、と思ってももう遅い。仕方なしにあるものを食べる。

南大東島に引き続き、こちらでもナイトツアーを入れている。同じくダイトウオオコウモリを見つけに行くのだが、北大東島にはフクロウはいない。ハマユウ荘の隣の北大東村人材交流センターで北大東島について説明を聞いた後、島観光に出かける。

燐鉱石貯蔵庫跡 燐鉱石貯蔵庫跡

最初に向かうのは燐鉱石貯蔵庫跡。なるほど、生き物を見に行くだけではないのか。昼間はドームの上から見ただけだったが、実は反対側に回り込むことができて、そこが本当の見どころポイントだった。これはガイドさんがいないとわからないよ。年々復旧が進んでいるとのことで、パンフレットの写真が年々変わっているそうだ。

北大東漁港

昼間回ったような順番で、次は北大東漁港。トイレだけでなく、宿泊施設まであるとは、聞かないとわからない。海の方を見てみれば、明かりが点いているのは、貨客船「だいとう」だそうだ。夕方北大東島を出発して、南大東島で一泊している。

ヤシガニ ヤシガニ

真っ暗闇の道路を進むと、まぁヤシガニがよく登場する。4匹くらい見かけたのではないだろうか。カニというよりはヤドカリの仲間とのこと。食べることもできるそうだが、毒があるから調理が難しいし、乱獲でかなり減ってしまって、今ではあまり食べないそうだ。大昔に西表島でヤシガニが2千円で売っていたが、食べておけばよかったと、いつもヤシガニを見るたびに思う。

島一周ということで、最後に沖縄最東端の碑まで行く。北大東島は、南大東島よりもさらに産業がないので、もっぱら土木工事が島の産業である。あっちもこっちも土木工事の与儀組の看板だらけ。島一周道路は今3/4くらいまで出来ているが、残りの北東部分が出来上がると、島一周ができるようになるらしい。そうすると、沖縄最東端の碑も移設しないといけなくなるだろうとのこと。

って、島一周道路は本当に必要なのか?まさに仕事のための仕事といった感じで、これが小さな離島の現実なのだろう。ただ、安全保障上必要な島なので無人島にするわけにはいかないし、某北の方にある国が太平洋側まで出てくる昨今、自衛隊のレーダーを設置する話が出ているそうだ。そんなわけで、観光客が多くもないのに、飛行機が満席になるのは、そういった人たちが移動しているのだ。

最後にコウモリを探しに行く。フルーツバットということで、高めのヤシの木に集まるとのこと。島中央の大東宮にに行くが見当たらず。ちなみに天照大神を祀る神社ということで、由緒正しき神社。鳥居の形も丸い棒がのっかっている神明(しんめい)系で、尖っている形の明神(みょうじん)系とは確かに違う。なるほど、そんな細かいところまで気にしたことがなかった。

ダイトウオオコウモリ

最後のポイント、ここなら絶対いるという、北大東村役場前のヤシの木。確かに、動いているのが良くわかる。一旦いなくなっても、しばらくするとどこかから飛んできて、すぐ居なくなる。近くにあまり高い木が無いから、中継地として利用しているのだろう。南大東島よりは、よく見ることができた。


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【目次】
出発準備編
那覇
南大東島
南大東島
北大東島
北大東島
沖縄本島