'17GW ミャンマーへの旅 その03 - バガン

5月1日(月)
Yangon8:00 K7-248 9:20Nyaung U
バガン観光、操り人形
Myanmar Treasure Resorts

今日は朝一で飛行機に乗るため、出発がとてつもなく早い。空港には7時には着きたいということから、ホテルの出発は6時半。これだと朝食は食べられないのではないかと思ったが、5時半から食べられるという。そんなに早くから準備されているのかと思いきや、確かに開いていることは開いているのだが、スクランブルエッグとか料理をするところはまだ準備中。超豪華ホテルで、様々な料理が食べられるところだったのに、これでは残念なところ。周りは日本人ばかりのようで、日本人向けに早くから朝食会場を開けているに違いない。

AIR KBZ

昨日も一緒にホテルでチェックインしていたなぁと思ったJTBのバッジを付けたグループとは別の車で、連なって空港へ向かう。別のツアーだと思っていたが、実は全く同じツアーだということに後で気づく。空港にあるきれいな売店では、商品の値段も日本並み。貨幣価値がわからず、なにげに買い物をしてしまったら、町中と比べると3倍くらいの値段がしていたようだ。

機内食

飛行機は当然のごとくのプロペラ機で、全員が搭乗すると出発時刻を待たずに5分くらい早めに出発してしまうのは沖縄チック。朝食をちゃんと食べてきたのに、サンドイッチの機内食ががっつり出た。一口サイズが二つなのでなんとか食べられたが、お昼が食べきれなくなってしまった。

ニャンウー空港

バガン遺跡まで車で15分くらいの町、ニャンウーに予定通り到着した。空港では、外国人は入場料15,000チャット(1,200円)が課せられる。ツアーに含まれているので、わざわざ払う必要はなく、ガイドさんが払ってくれる。寺ごとで入場料を取ることをしないように、町全体で入場料を取るシステムとのこと。

ここでもお迎え車はトヨタのクラウン。毎日、ウエットティッシュと水が付いてくるのは、暑い国ならではの良いサービスだ。ヤンゴンは暑かったが、バガンはもっと暑い。昼になると35度にはなるとの話。ホテルから一緒に来ていた別のグループは、別のクラウンに乗って出て行った。別のツアーでも混載にすれば効率良いのにと思ったのだが、実はそうではなかった。

同じツアーでもグループごとにガイドが付き、完全個別ツアーになっていたのだ。東京発は我々ともう一つの2グループ、関西と福岡はバンコク経由だから飛行機が違って、3グループの計5グループ。ホテルが普通と高級で分かれるが、食事の時だけ5グループが集まってくるという形になっていた。ということで、同じツアーにガイドが5名という、ミャンマーの人件費の安さならではのツアー体系で実施されていたことがわかった。

ティーローミンロー寺院

これから寺を三つ巡るのだが、昼になると暑くなるので、順番を入れ替えて、外を歩く時間が長いところを先に回ることにする。最初に向かうのは、ティーローミンロー寺院。王位継承で次の王を選ぶとき、傘が倒れた方向に座る者を選んだ、という話からティーローミンロー(傘の王)という名が付いた。

ティーローミンロー寺院

入り口につながる参道にはお土産屋が建ち並び、というか敷地内で勝手に店を開いているという状況であるが、買い物をするには丁度良い。寺院は土足禁止のため裸足にならないといけないが、いちいち靴を脱いだりするのはめんどうなので、こういうところで3,000チャット(240円)くらいのサンダルを購入しておくと便利。仏塔の中は四方向に仏像が安置されており、タイとはまた違った感じの仏像になっている。仏像ごとに、顔の表情も全然違う。

ガイドさんが完全つきっきりの単独ツアーになっているので、集合時間というものがない。お土産屋も行きたいところに行きたいように行けるし、しかも通訳付き。値段交渉もちょっとしてくれたりする。雑貨はベトナムやカンボジア並みに激安で、お土産屋を冷やかして回るのも楽しい。この辺りは砂絵が有名ということで、八曜の神様の絵を購入したりする。

タビニュ寺院

次に向かうのはタビニュ寺院。バガン一の高さを誇る大伽藍で、昔は上の層に登れたようだが、遺跡保護の観点から現在は登れないそうだ。駐車場から建物までが少し遠くて、建物の全体像を見るには良いが、この暑い中歩くのが大変。

タビニュ寺院

四方向に仏像が安置されているのは、ティーローミンロー寺院と同じだが、四カ所だけではなく通路にも仏像が置かれ、一つだけ両手を胸の前で合わせている仏像がある。また、折角のフレスコ画の壁画を白い漆喰できれいに塗り固められており、なんとも遺跡に対する考え方が大きく違うことに面食らう。

アーナンダ寺院

最後に向かうのはアーナンダ寺院。タビニュ寺院のすぐ近くで、歩いても行けるのではないかと思うくらい車に乗ったらすぐだった。この暑さだと、ちょっとの距離でも車に乗ったほうが楽ではあるが。

アーナンダ寺院

この寺院の特徴は、なんと言っても四方向に巨大な仏像があり、南にある仏像は眺める地点により顔の表情が異なるという。確かに、近くだと厳しく、遠くからは優しく見える。また、消えかかってはいるが、いくらかフレスコ画が残っている。予定コースからすると、今日回ったコースと丸っきり逆になっており、アーナンダは最初に来るべきところという感じがした。が、この暑さだと順番を入れ替えるのも致し方ない。

昼食

二時間程度観光して、お昼はエーヤワディー川沿いの中華レストランへ。食べ物の名物と言うよりは、景色優先で選ばれた店っぽい。ホテルから一緒に回っているはずのグループとは途中で一度も会わなかったが、レストランには到着していた。

昼食を食べたら、一度ホテルへチェックインして、ツアー日程としては夕方までホテルで休憩となっている。この暑さなので、一番暑い時間は歩き回らないようにしようという母心なのか、ガイドたちを働かせないためなのか、よくわからないが、バガンはまだまだ見所豊富。日本人ならもっとギュウギュウに日程を詰め込んで欲しいと思うところでもあるので、レンタバイクを借りることにした。ただ、勝手に動く事は、決められた旅行日程から外れる事になるので、誓約書を書かされる。日本の旅行業法はめんどくさい。

バガンでは、eバイクと呼ばれる電動バイクは免許がいらず、自転車の扱い。ホテルでも貸し出していたが、一人乗りしかなかったので、外部から持ってきてもらった。これもガイドさんが手配してくれた。ありがたい。半日というか一日レンタルで5,000チャット(400円)。ほぼタダ同然だ。

ホテルはニューバガンにあるので、タラバー門を目指すことにした。電動バイクなので、エンジンがかかったことがわからない。最初にプリウスに乗ったときのような感触だ。さらにフルスロットルでも30km/hまでしかでない。道がガタガタなので、どうせ飛ばせないから、これくらいで丁度良い。ヘルメットもいらないが、日差しが容赦ない。最初は帽子が飛ばされないように帽子をかぶっていなかったのだが、10分くらい走っただけでもはや日射病の状態で、頭がくらくら。やはり帽子をかぶることにした。

大通りに出ると、あるはあるは仏塔だらけ。ガイドブックに名があるところだけでもすごいあるのに、ミャンマー語でしか表記していない仏塔など山ほどある。途中でいちいち停まるのは辞めて、有名どころだけにしたのだが、それでもきりがなかった。最初の行ったところは、後で調べてもわからず。セィンニェ・アマ寺院、ソーミンジー僧院(パゴダ)、アベヤダナー寺院(壁画)、マヌーハ寺院、ナン・パヤー(レリーフ)と巡っていった。

アベヤダナー寺院

その中では、アベヤダナー寺院のフレスコ画は見事。中は写真撮影不可で、ライトさえ点いていない。昼間でも中は真っ暗で、ガイドブックに書いてあったとおり、持ってきた懐中電灯が役に立った。この寺の前にはお土産屋が店を広げていて、裸足で歩くには熱いところにちょうど布を敷いて立ち止まらせる作戦。砂絵なんかも売っていたが、別の特産である翡翠も売っていて、品は良さそうではなかったが、あまりの安さに結局買ってしまう。カンボジアと同じノリ。

マヌーハ寺院

そして、バス停のような広場に到着。どうやらここには、マヌーハ寺院とナン・パヤーがあるらしい。マヌーハ寺院は、狭い内部ぎりぎりに安置された仏像が特徴で、それは王自身が幽閉されていたときの心情を表しているという。最初建物内に入ったとき、寝ている仏像だとばかり思っていたら、帰り道で座っている足の部分だったことにびっくり。

マヌーハ寺院

建物の前面に三体の仏像があり、ガイドブックに載っている寝ている仏像が無いなとぶらぶら歩いていたら、建物の後方にこれまた窮屈な状態で寝そべっている仏像があった。施設内は裸足が原則だが、建物の中だけではなく、直射日光が照りつける外も裸足で歩かないと行けない場所がある。建物の裏といっても、外を歩いていかないと行けなかったので、足の裏が熱くなり、日陰に入って休み休み歩いていかないと行けない状態だった。

ナン・パヤーがすぐ近くにあるはずだが、案内板の指す先はマヌーハ寺院。マヌーハ寺院の右側を回り込んでみるとそれらしいところではなく、地元の人に怒られそうな雰囲気だったので、左側を行っていると、そこにあった。案内が悪い。

ナン・パヤー

やっとたどり着いたナン・パヤーは、レリーフが素晴らしいところとして紹介されている。確かに、これだけを見に来ても十分価値がある見事なレリーフで、まさにカンボジアのバンテアス・レイだなとも思った。こんな見事な彫刻が撮影可能で、しかもツアーに組み込まれていないとはどういうことだ。

さて、タラバー門まではたどり着けていないが、一つの目的地として考えていたナン・パヤーに来られたので、とりあえず満足。というか、暑さでもう帰りたい。最後に、近くの漆の店に行って帰ることにしよう。ゴールデン・クックーという工場兼売店で、看板はあれど本当にここか?というところだったが、聞いたおっちゃんに導かれるまま、作業風景を見学させられ、売店に入れられると、他に客がいないので、半ば強制的に買わないと出られないぞ、という雰囲気を醸し出される。

これまで見てきた漆製品に比べると確かに出来はきれいで美しいのは明らかなのだが、いかんせん値段が高い。全部ドル表記で、$100とか平気である。ホテルまで荷物は送ってあげるよ、と言うが、そんな高い物買うつもりもない。仕方が無いので、使うというよりは飾りとしてのおちょこのようなものを購入するのが限界だった。

ホテルに戻ってくると、ほぼ予定通りで二時間くらいだった。夕方の出発まで、まだ二時間弱はあったが、暑さでもう耐えられない。ミニバーなんて普通使わないが、ビールを飲まずにはいられなかった。ホテルにはプールがついていたので、のんびりくつろぐのも手だったかもしれないが、見所豊富な観光地でぐだぐだするよりは良かった。

ダマヤンジー寺院

しばし休憩した後、夕方の部で、まずはダマヤンジー寺院へ。未完の寺院で、内部への道が封鎖されてしまい、中の様子は誰もわからないらしい。様々な因縁がうずまいているようで、幽霊が出るとかの話もある。

ダマヤンジー寺院

夕焼けの時間までまだ時間がたっぷりあるらしく、30分自由に回って良いというが、もう寺ばかり見てきてお腹いっぱい。寺の中を二周しても時間があまり、お土産屋を冷やかして回るのが精一杯の時間つぶし。

シュエサンドー・パゴダ

最後に向かうのは、夕陽のポイントとして名高いシュエサンドー・パゴダである。内部には入れないが、パゴダ自体に登れば景色が見事なポイントである。

シュエサンドー・パゴダ

パゴダには東側から登る。寺院やパゴダがあちらこちらに見えるのはどちらかといえば東側。登った後に振り返ると、よく見るバガンの風景が広がっている。西側に回ると、寺院はあまりなく、横一列に並んでいる感じ。

シュエサンドー・パゴダ

一時間くらい自由時間ということで、夕陽が沈むまでひたすら待つ。カンボジアの時に比べると、観光客はそれほど多くなく、直前に来ても十分に見られる状況だった。これといった目印の寺院やパゴダがあるわけではないので、良くありがちの夕陽の風景となっていた。

夕食

まさに一時間で陽は沈み、これにて本日の活動は終了、かと思いきや、最後は操り人形のショーを見ながらの夕食である。車で30分くらい走ったところにあるレストランで、ステージの前の方の席は日本人が、というか我々JTBツアーの皆さんで占拠した。食事はプレートがどんと出てくる幕の内弁当タイプだった。

操り人形

操り人形は、ミャンマーの文化として残していきたいという政府の意向で続けられているもの。最初にもらったプログラムリストと、全然違うのはご愛敬。生演奏しているのが良いところであるが、これではベトナムの水上人形劇の方がまだまし。わざわざお金を払って見に来たいと思う人は、それほどいなさそうだな、と思ってしまった。


バガンの遺跡群

カンボジアのアンコールワット遺跡群、インドネシアのボロブドゥール遺跡と並ぶ、世界三大仏教遺跡の一つと言われている。11〜13世紀、日本で言ったら鎌倉時代〜平安時代に作られた王朝時代のお寺などの遺跡群。大小3,000を超える仏塔が大自然の中に立ち並んでいる。世界遺産になっていてもよさそうだが、壁画を漆喰で塗り固めたり、仏像の周りには電飾がきらめいたり、高層ホテルからゴルフコースまで、景観を全く気にしないなどで、未だに世界遺産に認められていない。しかし、世界遺産自体が観光目的と化している現在、世界遺産に認められているかどうかはあまり意味がないかもしれない。


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【目次】
出発準備編
出発
バガン
ピンダヤ
インレー湖
ヤンゴン