'04GW 九州・韓国高速列車の旅 その04 - ソウル

5月4日(火)
釜山10:00 KTX10 12:34ソウル
ソウル(徳寿宮)
成都旅館

コンビニで購入しておいた、おにぎりを朝食として食べる。日本の文化開放まではご飯物と言えば、海苔巻きのキムパップくらいしかなかったのであるが、今ではキムチ味など韓国風のおにぎりがいくつも店に並んでいる。音楽や漫画だけでなく、こんなところにもこだわりがあったのかと思った。昨日のどしゃぶりの雨もすっかり上がっており、釜山駅までぷらぷら散歩がてら歩いていく。

二階の自動改札を抜け乗車ホームへ。列車別改札をやっているというのに、まだ列車は入線していなかった。KTXは前面こそ違った印象を受けるが、中間車はTGVそのままである。前後のプッシュプル機関車を含む20両もの編成はとにかく長い。先頭では、運転手を記念撮影する日本人らしき人がいるなど、数年前びくびくしながら写真撮影をしていた頃とはすっかり時代が変わっていた。

KTX

KTXは日本と同じくトンネルが多いにも関わらず、国民感情からフランスのTGV技術を取り入れた、300km/hで走る超高速列車である。Korea Train eXpressの略で先頭車にはそのロゴと韓国高速鉄道のハングル表記がある。98年の財政危機と技術的問題から、ワールドカップには間に合わず、今頃の開通となった。なお、全線開通しているわけではなく、標準軌の在来線に一部乗り入れている。

釜山から大邱間は未だ在来線を利用しているため、速度は100km/h程度でセマウルと代わり映えがない。今まで電化さえしていなかったのに、超高速列車の電車が走るとは、何事に付けても一世代飛ばしてしまう韓国は進化が早い。木浦方面へも在来線を利用してKTXが運行しているが、大邱で合流して高速新線を走るようになる。高速新線を走るようになれば本領発揮で、すごい速度で走っていく。

なんだか駅に全然とまらないなと思っていたら、なんとノンストップの最高速列車だった。大邱を過ぎれば、あっという間にソウルに到着した。釜山からソウルまで今までセマウルで4時間もかっていたのであるが、2時間半という時間に短縮された。全線で高速新線が開通した暁には、2時間そこそこでソウル-釜山を結ぶようになるそうである。

ソウル駅

ソウル駅は昔のごみごみした雰囲気はなくなり、すっかり別の駅の様相を見せていた。全然違うところに駅を造ったのかと思うくらいであったが、東京駅に似せて造られた駅舎は資料館として残り、新駅舎は釜山寄りに駅ビルと一緒に建てられている。空港ターミナルを思わせるようなきれいな作りで、全面ガラス張りの明るい駅舎でヨーロッパを思わせる駅になっている。

まずは宿の確保へ。荷物もあるので地下鉄を一駅乗って、支庁駅から定番宿の大祐旅館を目指す。少しは予期していたのであるが、GWということもあって満室とのこと。これは困ったことになった。しかし、知り合いがやっている宿が近くにあるから紹介してくれるという。成都旅館という宿で35,000won(3,500円)。英語も日本語も通じないし、物価高を考えても料金が高い。500円くらいの差ならやむなしか。

荷物を置いたら昼食である。今日のお昼は冷麺を食べようと思っていた。食堂が軒を連ねる界隈なので、店選びには事欠かないのであるが、適当な店に入って冷麺ありますか?と聞くと、おばちゃんはあるという。店の姉ちゃんはなにやらガーっと言うのであるが、ハングルでわからず。どうやら、ご飯もの屋さんで冷麺はやっていないらしい。それなら最初から注文を聞くな!

おばちゃんが裏で右往左往して、かなり時間がかかったが、なんとか冷麺はでてきた。あり合わせで作ったような具が載っており、まさにまかない食といった感じだ。地元っぽさ100%の料理で、初めての韓国だったらこれでも十分満足だろうが、さすがにこれでは満足できなかった。やはりちゃんとメニューを見るべき。値段は4,000won(400円)で、他の料理と比べてもリーズナブルな値段だった。

店を出るとちょうど今日の夜、合流する予定の友人とばったり出会った。ここで会っておいて良かった。同じく宿無しで来ているので、途方に暮れるところだったろう。大祐旅館へは行かないで、同じ旅館に連れて行った。さて、すでに15時に近い時間だったので、観光するにも一カ所くらいだろう、ということで世界遺産に指定されている宋廟へ行ってみる。その前に帰りの航空券を購入しなければ。

徳寿宮

市庁の目の前にあるJALプラザへ。日本語は大丈夫ですか?と聞くと、少しといいつつバリバリしゃべっていた。元々安い運賃なのに、なぜか2割引ということで、片道たったの24,000円。それならばと、帰りの羽田→金浦の切符もOPENで購入する。これで一年以内にまた韓国を訪れなければならない。ちなみに、仁川〜成田ならさらに三千円くらい安いらしいが、当然満席で変更はできなかった。

宋廟へ行ってみると、今日は火曜日で休みだった。ソウルにはあと一つ世界遺産があるはずである。徳が付いていたと思っていたので、支庁の横にある徳寿宮だろうと思って行ってみたが、実は宋廟の隣の昌徳宮だった。またの機会に行かねばならない。徳寿宮は都会の中のオアシスといった感じで、のんびりするには最適である。しかし、周りの景色になじまない、西洋風建築の石造殿にはちょっと驚かされる。

石造殿

ソウル駅でぶらぶらし、併設の駅ビルを冷やかし、良い時間になったので焼き肉を食べに明洞へ向かう。飲食店が多いエリアを歩いてみるが、どうも気に入る店が無く、少々高いが前にも行った「明家」に行くのが間違いなかろう。席について、さてまずはビールかなというところで、今日はカルビは無いとのつれないお言葉。カルビ無しで焼き肉屋か?日本人がこのGWに大挙して訪れ、品切れになったか?

カルビ無しで焼き肉もあるまい、ということで店を出て、先ほどの飲食店街で適当な焼き肉屋へ入った。図らずも韓国キャンペーンで木梨憲武が来た店で、ほとんどの客が日本人だった。キムチは茎のところばかりでうまくないし、焼き肉も涙が出るほどうまいということもなく、ちょっと店の選択に失敗した。初めて来たら、これくらいでも満足できるのだろうけど。

最後に宿の近くの屋台に入り、韓国焼酎(ソジュ)を飲んで盛られた魚介類やおでんなどをつまみにまた食べる。おばちゃんに勧められるまま、酒を飲むわ食べるわで、2人で屋台史上最高額の40,000won(4,000円)もとられてしまった。基本的に屋台はどんぶり勘定だから、少々ぼったくられるのは常であるが、ここまで飲み食いしたかなぁ・・・とちょっと考えてしまった。


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