'01冬 台湾への旅 その03 - 阿里山

1月5日(金)
沼平6:10 6:30祝山7:30 7:50沼平
阿里山(散策)
阿里山12:00 14:10嘉義14:34 呂光19 16:06高雄
新源大旅館

今日は山の上の日の出ツアー。ホテルには日の出時刻が掲示されており、それに加えて列車の発車時刻、ホテルの出発時刻、起きる時刻が掲示されている。列車は6時の出発で、5時20分にはホテルを出るようにとなっている。その30分前に起きろということである。ホテルの人と日の出の事で話していたら、特に頼んではいなかったがモーニングコールがあった。

ホテルの前からバスが出るから乗っていくと良いよと昨日言われていたので、時間までホテル前で待つ。外は非常に寒く、ほとんど0度に近い。ホテルの前では朝からおばちゃんが車で売店を開いており、暖かい物を売っていた。さすがに観光地価格で高い。しばらく待つと、普通の車が現れた。売店のおばちゃんが50元(175円)と言う。一人50元を取るとは良い商売だ。

売店のおばちゃんが携帯で電話していたから、もしかしたらこの車を呼んでいたのかもしれない。それにしても、こんな山の中で携帯電話が使えることがすごい。車は沼平の駅まで向かい、やはり阿里山駅は使われていないらしい。列車の時刻は6時10分で、出発間際になると団体さんも現れたりして、駅舎の中は人で一杯になる。列車は4両編成のロングシート車であったが、全員座れる程度の混雑だった。

相変わらずのんびりの速度で列車は進み、20分かけて祝山駅に到着した。階段を上ると、そこが展望台である。展望台には、写真撮影をするときに上がるような台が用意されていて、地元の人はなぜかそこへ向かってきっちり並んでいる。日の出時刻まで30分の間に、ガイドのおじさんが声を張り上げ説明があり、それを聞くためのようだ。当然中国語で何を言っているかはわからない。

日の出

周りには当然のごとくお土産屋が並び、漬け物などに加えてわさびが売っていた。台湾でもそのまま発音し、ひらがなで「わさび」と書いてある。日本語が普通に使われている証拠である。だんだん明るくなってきて、山の上から陽が昇る。少しガスがかかっているようで、ぼんやりしていたが、これが台湾人なら誰もが見ようと思っている阿里山の日の出である。富士山からの日の出とは、若干趣が違う。

ここから3kmほどのハイキングコースを下っていくと、沼平駅まで行くことができる。昔は、この列車が開通していなかったので、皆歩いてここまで登ってきたらしい。往復切符を買っていたので、列車に乗って戻ることにする。すると、駅では列車に乗ったり降りたり、テレビ撮影をしていた。旅番組でも撮影しているのだろう。しかし、彼らは列車が駅に着いたときからいたし、列車にも乗らなかった。まさにやらせ。

沼平駅まで戻ってくると、土産屋や食堂が並ぶ界隈で朝食とし、一端ホテルへ戻る。そして、大きな荷物を預かってもらってから、周辺散策に出かける。2時間ほどで一周できるハイキングコースがあるのだ。しかし、平坦なところはほとんどない山の上で、しかも高度が高くて紫外線は強く、息も切れやすい。まさに、高地トレーニングだ。

寺

まずは山を下る方向に進み、神木という列車のスイッチバック駅まで進む。しかし、この回り方はどうやら逆回りのようだ。列車は一日に一往復しかなく、駅といっても駅名の看板があるのみでホームもない。信号場といった感じがする。ここから杉の中を歩くトレッキングロードができており、推定樹齢千数百年という杉の木がたくさんあって、その大きさに圧倒される。

吊り橋を渡ってお寺を見て姉妹沼に出る。なかなか見所豊富で飽きずにハイキングが楽しめる。そして、この姉妹沼はその名の通り二つの姉妹の池があり、なかなか趣のある風景である。しばし眺めを楽しんだ。そして、沼平駅まで歩けば、ハイキングコースは終了である。ホテルへ戻って荷物を受け取ると、急いで屋台で昼食を食べてお土産屋を見て回る。

姉妹沼

お土産というと、やはり漬け物やお総菜などが定番のようだ。そして、12時のバスに乗って下山する。一日一便の森林鉄道では、13時に出発して嘉義駅まで3時間半もかかる。しかしバスなら2時間おきに運行しており、嘉義駅まで2時間ちょっとで着いてしまう。しかも料金は列車の半額以下である。これなら、列車に乗る人が少なくなるのも仕方がない。

バスは小さな集落をいくつか通っていくが、すごい山の上をバスが走っていることに驚かされる。しかも、すごいスピードで走る。四国の山あいを走るのよりも遙かにスケールがある。さらに、下っても下ってもいつまでたっても山の中。これはさすがに日本では考えられない。1時間半くらい山の中を走り、やっと町に出たなと思ったら、もう嘉義の駅だった。

呂光号

バスを降りても、タクシーの運ちゃんの攻勢にあうが、当然無視。タクシー運ちゃんの目的は阿里山だろうに、そこから来たバスに客引きをするとはバカである。次の高雄までの列車は、客車列車の呂光号。停車駅が少なく速度が速いのが赤い色の呂光号で、多くの駅に停まるのが青い色の復興号。韓国のムグンファ号とトンイル号の違いのごとく。1時間ほどで、高雄に着く。

高雄の町は、さすがに南国の雰囲気で蒸し暑い。相変わらず原付は走っているが、台北以上に原付の数が多い。地下鉄が無いせいかもしれないが、とにかく多い。空も曇っているが、なんだか排気ガスがこもっているような感じがする。何はともあれ、まずは宿を確保する。駅に近い日本語ができる親父がいるという宿へ行くが、おばちゃんしかいなくて、日本語はおろか英語もできなかった。

三凰宮

身振り手振りと筆談を交え、とりあえず宿を確保した。地球の歩き方を見せると割引があり、350元(1,200円)とは破格値だ。高地で紫外線焼けしたので少し休憩した後、市内観光へ出かける。といっても見所はない。儒教の総本山といわれる三凰宮に行くと、暗くなったので早くも観光終了。六合夜市へと向かう。歩行者天国になっている屋台通りだが、原付が走り回っているのが気になるところ。

やはり屋台はなんでも安い。たこ焼きにわさびをかけるという変なものもあったが、たこ焼き自体は日本と変わらない物だった。台北の夜市もそうだったが、日本や韓国のように声をかけられるということがない。声が出ていないから活気がないかというと、原付がぶんぶん走り回っているし、人も多いのでそうでもない。安くて少ない量で早く客を回すため、声を出している暇がないほど忙しいのかもしれない。


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森林鉄道
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