'00夏 ミレニアム富士登山 その4 - お鉢巡り

30分くらい休憩した後、お鉢巡りへ行く。不思議なことに、眠くもないし、息も切れない。噴火口の周りに遊歩道ができており、一周1時間半の道のりだ。その噴火口は、さすがこれだけの山を作っただけはあり、立派なものである。

頂上

それにしても風が強い。体が浮き上がりそうになることもあり、非常に危険きわまりない。それでもなんとか、電話局、郵便局など巡って行き、ついに、富士山測候所のドームのところまで到着。まさに3776mの碑が建つ地点に到達した。ついに、日本一高い地点にたどり着くことができたのだ。目の前には噴火口、横には測候所、そして測候所の裏には緑の大高原パノラマが広がっていた。

もはや後は帰るだけ。それでも山小屋までが結構長い道のりで、山小屋に到着したのは、9時であった。この時間でもまだまだ登ってくる人がいる。外人さんがここは頂上か?って騒いでいたので、ここが頂上だよって言ってあげた。英語がまったく書いていないし、日本人には英語は通じないし、外人にとってはつらいだろう。

そして、9:20に下山に入る。下るルートもたくさんあるが、下山道が別に用意されている。しかし、登山前にもらった地図では、本八合目から下山道に入ると書いてあったので、その通りに同じ道を下っていくことにした。下りながら、まだまだ登ってくる人たちに、あともうちょっとがんばれと声をかけ、本八合目から下山道へと進んで行く。頂上を眺めると、よくもまぁあんなところまで登った物だと感心するぐらい、はるか上方に鳥居が見える。八合目の山小屋を通過時には10:30。いい感じで下っている。たまに、雲が下から吹き上がってきて、涼しげな雲の中を歩くことにもなった。

9.5合目鳥居

しかし、ここからというより本八合目から六合目まではたんたんと続くジグザグの砂道。砂埃でじゃりじゃり、紫外線の強い直射日光を浴びながら、もくもくと下る。しかし、立ち疲れた影響か、下りだというのに疲れる。上りよりもつらいくらいだ。八合目の山小屋には、六合目まで山小屋はないので、水分補給をしておいてくださいと書かれていたが、山に持っていった物は全て持ち帰る、山からは何も持ってこない、のポリシーの元、山小屋では何も購入しなかった。

1時間くらいで六合目にたどり着くだろうと思っていたのだが、たんたんと続く下り坂に疲れ果て、六号目の山小屋に着いたときには、またしても八合目から六合目の標準時間である2時間もかかっていた。

ここで水分補給をしようかどうか悩んだが、車で持ってこれるようなところでジュース300円は高い。あと30分我慢すれば、五合目までたどり着ける。最後の力を振り絞り、一気に下った後、最後の上り坂。スタート時にここは苦労するだろうなと思った坂が、予想通り最後の難関となった。そして、13:10に標準時間とほとんどおなじ4時間弱で、五合目に到着した。

まずは水分補給して、次は帰路を確保する。財布の中にはぎりぎり5千円札が残っていた。何とか帰れる。同じ行程で列車で帰るよりも、14:00発の新宿行きバスがあったのでそれにする。この方が断然に安い。すると、予約をしていない人は補助席だという。まぁ、安けりゃ何でも良い。安いバスにしたおかげで、お土産品を買う余裕ができた。しかし実際に乗ってみると、席に余裕があったので、普通の席に座ることができた。

それにしても、体中すごいじゃりじゃりだ。耳の中、鼻の中、手には砂がシワに入り込んでいる。ちょっと水で洗ってタオルで拭くと、雑巾で床を拭いたように真っ黒になった。どこか温泉にでも入りに行きたかったところだが、車でないから自由が利かない。やむなく、家に帰るまで、じゃりじゃりのままであった。

そうして、高速道路で渋滞にあいながらも、1時間遅れで新宿駅に到着し、JRで帰途についたのだった。今年は2000年、記念すべきミレニアムということもあり、富士山登頂で盛り上がっているようだった。さらに学校の夏休み最初の土日ということもあって、人手が尋常ならないものであったようだ。

友人には登頂断念する人が多く、どれだけ大変な山かと思っていたが、意外にも楽に登れたし、天候が良くて、時間さえかければ誰でも登れる山であろう。ただし、高山病など気持ち悪さがとれないときは、早めに山を下るようにした方がよい。無理に登って、登山道中や山頂で、多くの気持ち悪くなった人を目撃したし、五合目で救急車が呼ばれてもいた。くれぐれも無理のないように。ただ、日焼けと筋肉痛がその後一週間も続き、運動不足の人は、後で苦しむことになりますが。


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【目次】
出発
登山開始
御来光
お鉢巡り