'00夏 ミレニアム富士登山 その2 - 登山開始

五合目の出発時刻は20:50。標高2300m。歩いている人は少なく、月明かりでうっすら道が見えるが、ヘッドランプが大いに役立つ。最初は車も走れるゆるやかな下り坂で、楽勝ハイキング状態であったが、車道から分岐して登りにさしかかると、早くも汗だく。しかしすぐにライトが光っているポイントに到着し、もう六合目か、ここまでは案外楽だったなと思ったら、実は安全センターという登山の注意の紙を配っているところで、六合目まではまだまだ先だった。

それでも、まだゆるやかな上り坂で、疲れたなと思う頃、六合目の山小屋に到着した。一回下った分、標高はほとんど変化無しの2400m。山小屋では、焼印200円というのが書かれており、この金剛杖に押してくれるらしい。しかし、各合目でやっていったらかなりの金額になる。良い商売だ。それでもやっぱり押してもらう。山ではお金を使わないと思っていたのに、ちまちま使うことになってしまった。あまりお金を使うと帰れなくなってしまうので、五千円札にだけは手を出さないようにと決めた。

少し休憩をしたのち、いよいよ本格的な登りにさしかかる。七合目までは高度にして300m、時間は標準時間60分となっている。ジグザグの単調な登り道が続いており、徐々に歩く速度が遅くなる。そして、ついにはカタツムリのごとく、のんびりゆっくり歩いては、曲がり角2回ごとで休憩をした。それにしても、単調な道がいつまでもいつまでも続くものだ。残り何分などの標識が全くないので、こんなときPROTREKが大活躍。休憩を入れるたびに、PROTREKを確認すると、約30mずつ上昇している。あとどれくらいか理解して登るのと、いつになったら到着するかわからず登るのとではかなり違う。

七合目

そんなこんなで、やっとのことで七合目の山小屋に到着。とにかく、非常に疲れた。山小屋には、丸太のベンチが用意されているので非常に助かる。ここは標高2700m。高度が徐々に上がってきたのと、運動不足がたたって頭が痛い。酸欠なのか、高山病なのか、とりあえず長めに休憩することにした。それにしても、六合目から七合目まで、すごいのんびり歩いたはずなのに、かかった時間は、標準時間60分と代わり映えはなかった。

20分ほど休憩したら、頭もすっきりして、なんとか大丈夫。次の八合目までは標準時間100分と一番長い時間がかかる区間になっているが、岩場を登って行くので単調な道でないし、山小屋も多いので、一つ一つ山小屋を目標にしていくと気楽に登れる。徐々に登山者も増えてきて、ついてゆくようにゆっくり登って行くと、案外疲れないまま0:40に3100mの八合目に到着した。おなかが減ってきたので、持参したおにぎりを1個だけ食べる。これが無性にうまい。やはり、山登りにはおにぎりに限る。

ここまでで、出発から標準時間200分のところ、230分。標準時間には休憩時間が含まれていないので、まずまずのペースだ。だが、いままでなら標準時間を遙かに上回る時間でハイキングなり、山登りなりできていたので、標準時間通りで歩いているということは、体力が衰えているのだなと感じずに入られなかった。

10分くらいの休憩の後、さらに次の本八合目をめざす。なぜか九合目とはいっていない。七〜八合目間と違って、再び単調な道になっていたが、山小屋がたくさんあるし、登山者も多くなっているので、ついて行くように歩くと、六〜七合目に比べれば遙かに気楽に歩ける。ただ、深夜になってかなり寒くなってきたので、ついに手袋とコートを着用。手袋をしてもかなり手がかじかむ。風も強くなってきて、たまに突風が吹いてじゃりじゃりになってしまう。

標準時間80分とのことであるから、本八合目には2:30の到着をめざしていた。八合目から本八合目目で2/3を過ぎた時点で2時ちょうど。まずまずの良いペース。これなら2:30には到着できるだろう、と思っていたら、急に前の人が止まってしまった。なんと大渋滞である。5秒に一歩ほど、歩いているというよりも、ラッシュの列車に立っているかのごとく。ほとんど動かない。ぜんぜん疲れはしないが、あまりにも動かなくていらいらする。すでに眠くなってもいい時間であるが、あまり眠くならず、ただただ立っていた。


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【目次】
出発
登山開始
御来光
お鉢巡り