帰りの飛行機は熊本空港からなので、どうせ熊本へ行くなら新幹線ではなく、のんびり車窓を楽しみながら行こうということで、肥薩線経由で向かうことにする。新幹線で行けば一時間で着いてしまうが、肥薩線経由だと半日かかってしまう。
まず最初は真っ黒なボディの特急はやとの風である。キハ40とキハ47という普通用の気動車を改造した車両で、特急らしからぬ車両であるが、速度も遅くて明らかな観光列車である。ロングシートもそのまま残っていたりするが、さすがに荷物置き場になっていた。客室乗務員が乗り込み、車窓風景をガイドしている。
観光特急ということで、あちらこちらと駅に良く停まる。まずは嘉例川駅。築100年を超える木造駅舎で、九州で最も古い駅舎の一つ。駅前で写真撮影大会となった。霧島温泉駅では、子供の一日駅長が立ち、駅で物産品が売られていた。さらに同じく古い木造駅舎の大隅横川でも停車した。
そろそろ駅に停車するたびに降りるのにも飽きてきたころに吉松駅に到着。乗り継ぎ時間が40分もあるので、駅前をぶらぶらしたりするが、SLがあるくらいで何もなく、5分くらいぶらぶらして駅舎に戻る。
ここから山越えの列車は、上りと下りで列車名の違ういさぶろう・しんぺいである。この列車名は、人吉駅〜吉松駅間が建設された当時の逓信大臣と鉄道院総裁の扁額が矢岳第一トンネルにあることが由来である。はやとの風と同じくキハ40改造車で、こちらは真っ赤に塗られている。さすがに特急列車にするのははばかれたのか、普通列車としてボックスシートは指定席となっている。
こちらも観光列車であり、各駅には長時間停まっていく。最初の停車駅真幸駅は、真の幸福と言うことで入場券が売れている。今ではぺらぺらの紙に印刷しただけのもので、なんだかがっかり。ここでも物産展が開かれており、スイッチバックで列車が登っていくと、町の人たちがいつまでも手を振っていた。
そして列車は日本三大車窓の一つのポイントへ。見所となるポイントが狭いので、わざわざ一両ずつ停める念の入れよう。なんともサービス精神旺盛である。そして、ぐるっと一周するループ線と再度スイッチバックで大畑駅に到着した。
そうして、イベントだらけの肥薩線の旅は人吉駅到着で終了である。本当はここで人吉温泉にでも入りたいところだったが、次の列車にするとなんと飛行機にもう乗れなくなってしまうので、ここはあきらめて熊本の温泉にする。お昼に人吉駅の鮎弁当を購入して列車の中で食べる。九州横断特急は人吉から熊本を経由して大分・別府まで走っているので、そのまま空港近くの肥後大津まで乗っていく。
熊本空港の最寄り駅であるが、あまりバスは走っていないし、温泉に行くにはタクシーしか足がない。大津温泉岩戸の里までタクシーで10分と書いてあったが、そんなものでは到着できず、3,000円近くもかかってしまった。温泉自体は、露天風呂あり、薬湯あり、とそこそこ楽しめた。
ここから空港へ行くには、駅に戻ってバスに乗るか、直接タクシーで向かうか。タクシーで直接行っても4,000円くらいということだったので、タクシーを呼んでもらい、直接熊本空港へ。実際には駅よりもちょっと高めなくらいで、ほとんど同じくらいの額だった。
鹿児島観光なのに、最後は熊本ラーメンで締め、熊本のお土産を買い、展望デッキから飛行機を眺めて、から飛行機に搭乗した。
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