朝一の新幹線では函館までの白鳥に指定席の空きが無く、やむなく次の新幹線にした。朝の出発にゆとりができたが、函館の到着が一時間遅れになってしまうのは仕方がない。

お目当てのグランクラスは、切符上はグリーン車扱い。グリーン車でも新幹線は4列シートなのに、3列シートで一両に18席しかない。なのにアテンダントが二人も付いている。電動リクライニングシートで、軽食とおやつが付き、飲み物は飲み放題。そういえば、ノルウェーのシグナチュールの一等車がこんな感じだったよなと思う。サービス至れり尽くせりの対価は、普通席の3倍の料金である。確かに青森までの3時間半はあっという間だった。

新青森からはスーパー白鳥に乗り換える。北上するにしたがい雪が降り始め、青函トンネルを過ぎると吹雪の様相を見せていた。函館にはやや遅れたが、無事到着した。函館に着いたら、コインロッカーに荷物を入れて、まずは腹ごしらえ。

函館駅すぐのところに朝一の市場があるのだが、今ではどんぶり横町なんてできていて、全ての店でいくら丼などがある。どこでも同じなので、適当な店に入ってみたら、るるぶに載っている店だった。5種類の具が載った市場丼は1,500円。和庄市場で勝手丼をやっていた頃に比べると価格は高くなっているし、丼は小ぶりだし、なんとも寂しい状況と言えるが、新鮮な魚介類でひとまず満足。

外は相変わらずの雪模様であるが、路面電車に乗って元町へ。十字街〜末広町の間に見所は凝縮されており、逆にこれ以外は行かなくても良いくらい。路面電車を末広町で降りて、旧函館区公会堂と旧イギリス領事館には入ってみるが、まぁどうしても見ておく必要があるところでもなく、長崎、神戸と雰囲気一緒だよなぁと思うばかり。

超有名な海へと続く八幡坂通り、正ハリストス教会を見て、十字街に戻ってくる。雪の降り方が半端無く、基本北海道は雪が降っても傘を差さないものだが、傘を使わずにはいられない。

さらに少し歩けば赤レンガ倉庫で、昔の倉庫がショッピングモールになっているところ。お土産ポイントとしても欠かせないところなので、末広町を起点に赤レンガ倉庫まで一通り巡り、函館駅まで歩いて帰るのが定番の函館観光コースになっている。何度も何度も来ていると、歩くルートさえパターンができてしまう。

赤レンガでお土産屋を冷やかして函館駅に戻ってきたら、ひとまずホテルにチェックインに向かう。ホテルは駅周辺ではなく、昔ながらの温泉宿、湯ノ川温泉に予約してある。函館駅から路面電車で30分、すぐにホテルは見つかって、18時にはチェックインできた。

温泉に入ってから夕食に行こうと思っていたが、夜景を見るならそんな時間は全くない。雪が相変わらず降っているので、この状態では夜景はほとんど期待できないが、とりあえず外に出ようと、少し休憩したら路面電車で函館駅に戻る。

函館駅についたら、空は晴れていた。これなら夜景に行けるかもしれないと、ロープウェイに乗り函館山山頂へ。しかし、山の上は雪が降っていた。やや曇っている夜景は、雪に阻まれ黄色い明かりしか見えなかった。これでは夜景もいまいちな状態。お土産屋を冷やかしていても、まだ状況は変わらない。

仕方なしにもう帰ろうとロープウェイ乗り場に並んだところ、なんだかさっきよりもきれいに見えている感じがする。急遽展望台に戻ってみると、雪の降り方が少なくなっていて、かなりきれいに夜景を見ることができた。なんとか夜景を見ることができて、一年のうちに日本三大夜景をすべて見ることができた。

ロープウェイに乗る頃にはまた雪が強くなっていて、全く景色を見るどころではなかった。なんという運の良さ。あまりにも雪が強くなってきたので、タクシーで駅前まで戻った。夕食を食べようにも20時を過ぎると店はほとんど開いていなくて、朝一の隣にあったラーメン屋に入る。

函館と言えば塩ラーメン。昔の味を復刻したというラーメンは、年代ごとにだんだん濃厚になってきたようだ。どこが函館っぽいかというと、やはり一番人気でもある80年代だった。麺や具は普通な感じで、スープだけは良い店だった。函館らしく鮭とイクラのミニ親子丼というのもあったが、小ぶりなイクラに人工イクラかなというものでどんぶり横町のものとはだいぶ違う。路面電車でホテルに戻り、温泉に入って今日の活動は終了した。