'07秋 台湾高速列車の旅 その02 - 太魯閣号

11月11日(日)
高雄9:08 自強1012 9:59台南
台南(孔子廟)
11:40 12:10高鐵台南12:17 高速鐵路414 13:53板橋14:17 自強1012 15:01瑞芳15:29 區間車3219 16:01十分
十分瀑布
大華18:13 區間車3226 18:39瑞芳19:00 區間車2740 19:11八堵19:40 區間車2121 20:17台北
六福客桟

台湾を一周する予定していた列車に乗れない以上、また新幹線で戻るしか無いのだが、有り余った時間をどうすれば良いだろうか。高雄観光といってもビルに登るくらいだし、台北も観光すべきところは無い。それなら、台北まで戻って太櫓閣号に乗ってみてはどうか。さすがITでは進んでいる国だけあって、オンライン端末で指定席の残数が確認できる。もちろん中国語だが、漢字なのでだいたいいわかる。

自強号

オンライン端末をいじくっていたら、なんと予約可能とのこと。これはびっくり、日曜日の下りだからだろうか。14時の台北からの列車だから、のんびり戻ればいい。それなら、台湾でも歴史ある台南に行ってみることにしよう。高雄から自強号で30分の距離。久々の1000系自強号に乗って台南に到着。席はほぼ満席だったし、台南ではけっこう客が降りるので、やはり、都市間輸送として高速鉄道にあまり客を取られていないようにも感じる。

国家台湾文学館

駅前に古い建物が集まっていて、駅舎も歴史あるものなんだとか。そして、駅前広場から湯徳章紀記念公園に向かうと、この周りにはオランダ時代の建物や、今では消防署として使われている日本統治時代の合同庁舎など、歴史を感じさせる建物が様々に建っていておもしろい。警察署さえも、赤レンガで歴史を感じさせる。

孔子廟

そして、一応の目的地とした孔子廟に到着。駅から徒歩15分くらいだろうか。日曜日ということもあって、団体客が次から次から訪れていた。普通に中国式の赤いお寺といった感じで、これといってすごい建物ではないのだけれど、台湾の中では規模の大きなものだそうだ。

見所としては、まだまだあるようだが、時間が迫っている。駅前まで戻って、高速鉄道の台南駅まで向かうバスの時刻表を調べる。なぜか高速鉄道は台鉄と関係ないところに駅を作り、さらには町にも全然近くない。なぜわざわざそんな不便なところに造るのかといいたくなるほど離れている。ここも例に漏れず、高鐵台南駅までバスで40分とのこと。しかし、バスはちょうど行ったばかり。次のバスで高速鉄道に乗ると、台北で太櫓閣号に乗り継げなくなる。では、列車で左營まで戻ってはどうかとオンライン端末をいじってみるが、満席ばかりだし、乗らなければいけない呂光号がもう到着している。

最終手段はタクシーだ。駅前のタクシーは、予想どおり英語は通じないが、本を見せて指さし指定。誘導係のおっちゃんも交えてなんとかわかってもらえた。現在11時40分過ぎ。新幹線の時刻表を調べてみると、なんと台南に停まるのは一時間に二本で、しかも昼間はちょうど各駅停車のこだまタイプしかない。12時17分に乗らないと、太櫓閣号に接続できない。バスで40分だから、タクシーなら30分というところか。まさにギリギリだ。高速鉄道のガードが見えてから、その脇を走るのが長いこと長いこと。

それでもなんとか、12時10分過ぎ、周りにはたんぼしかない高鐵台南駅に到着した。オンライン端末でチケットを購入!と思ったら現金が入らない。仕方がないのでもう一度カードで購入。しかし、出て来た切符をみてあぜんとする。次の列車の時刻になっているじゃないか。窓口で17分に変えられないか聞いてみるが、もう無理とのこと。システム上、出発の5分前を切るともう販売できないらしい。

次の列車では太櫓閣号には乗れなくなる。しかし、高速列車はガラガラだし、検札はこないのだから、前の列車に乗ってしまってもわからないのでは。ちなみに、今日までは全列車全席指定席だが、明日から一部が自由席になる。急いで改札を抜け、エスカレータを登るとちょうど出発チャイムがなっているところ。間一髪セーフだった。

各駅停車なので、駅ごとでこの席の人がこないかどうか確認しなければならず、台中で団体客が乗って来て席移動、新竹でも席移動することになった。それでも動けるだけガラガラで、予定どおり板橋に到着した。本当は太櫓閣号には始発の樹林駅から切符は取っていたのだが、一駅戻る時間はなかった。ということで、自動改札機は駅が違うので予想どおり通れない。日本の切符は経由駅をすぐさま判断するから、途中駅からも乗れるようになっているのだが。改札のおばちゃんはけげんそうな顔をして切符を見ていたが、とりあえず切ってくれた。

台鉄のホームに移動すると、ちょうど自強号が到着したところだったが、実はこれは台南で降りた自強号だ。高速鉄道であっという間に追いついてしまった。その後、いよいよ太櫓閣号の到着である。JR九州の特急かもめに充当されている885系車両で、自動制御付きの振り子電車である。ちなみに、列車名は当局の指示により?国のためになる名前でないといけないらしく、自強号の名前を付けられている。オンラインではその種別はまったく分からず、時刻表の表記をみて辛うじて分かるくらだ。

太櫓閣号

台北で席はほとんど埋まり、よくも席が取れたものだと感心する。30分だけの短い乗車だから、たまたまその区間だけ空いていたのかもしれない。カーブでは車体を傾けて、すごい勢いで駆け抜けて行く。今まで3時間かかっていたところを2時間に短縮したのだから振り子効果は絶大だ。そして、あっと言う間に降りる予定の瑞方駅に到着した。

ただ乗るだけではなんなので、これから地元の人のちょっとした観光地である平溪線に乗りに行く。時刻表など全く調べずにいきあたりばったりで来てしまったが、ちょうど20分くらいの接続で列車があったので、十分駅まで切符を買って乗り込む。気動車なのに、電車のチケットとは。15時を過ぎて今から出掛けて行く人はそんなに大人数ではないが、そこそこ乗車している。列車は渓谷に沿って走って行くので、風光明媚な風景がすばらしい。十分が近くなると、すごい数の観光客が歩いている。さすが、今日は日曜日ということもある。地元の人には、台北から気楽に日帰りできる観光地なのだ。

十分老街

十分駅から少し戻ったところが十分老街で、線路の両側に町が広がっている。江ノ電さながらの風景が広がっている。のんびり散策しながら列車が来るのを待ちたいところでもあったが、もう夕方になるので、列車を待っている時間もない。大華駅との中間くらいにある十分瀑布を目指して歩いていく。

十分瀑布

吊り橋を渡ると線路沿いを歩いていき、なんと線路に向かって施設の入り口が出来ていた。まさに江ノ電だよ。階段を下っていくと、ちょうど滝上に出る。そこからさらに階段を下っていくと、滝壺に出る。風下にいると水飛しぶきがかかり、写真も撮れないくらい。さすが、台湾のナイアガラと言うだけはある。

17時をすでに過ぎており、さすがにそろそろ陽が暮れてきた。大華駅の方が近いと言うことなので、線路沿いを歩いていくが、なんとこれまた道なき道。いや、道はない。本当は道がないのに、皆勝手に線路沿いを歩いているのだろう。さすがにこの時間になると誰も歩いていない。滝からすぐの所にトンネルがあるので、列車の時刻表無しに歩くのは危険であるが、時刻表をキオスクで買っておいて良かった。時刻表を見ながら歩いていき、あと駅まで数百mというところで列車をやり過ごす。なかなか日本では経験できない体験だった。

ちょうど列車が行ってしまったばかりなので、次の列車までは50分待ち。辺りは真っ暗だし、無人駅だし、ただベンチに座って待つばかり。切符が買えないので、日本と同じく車掌から切符を購入することになった。もちろん言葉は通じないので、時刻表の駅名を見せて指さし購入。この時間でも結構混んでいた。日曜日の夜だからだろうか、長距離列車が遅れていて、自強号をやり過ごすため遅れが出たが、瑞芳駅でも区間車が遅れていて、結局台北に着いた時には一本列車が遅れていた。タクシーで何とかホテルにチェックイン。

21時も近いので、近場で食堂を探してみるが、だんだん店じまいの時間。それでも小さな店を見つけて入ってみると、どうやらエビ屋さんのようだが、鴨鍋というのがあるらしい。何種類か具を選んで良いようだ。こういったときに、漢字で書いてあると、なんとか推測して選べるのが良い。今日は屋台まで行けなかったが、なかなかの食事にありつけたので良かった。


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