'07秋 台湾高速列車の旅 その1 - 高速鐵路

11月10日(土)
東京(成田)10:00 EG201 12:55台北(桃園) 台北16:00 高速鐵路127 17:36左營 新左營18:21 18:31高雄
京城大飯店

今回は、マイルが貯まりに貯まっているので、今年から走り始めた高速列車に乗るために、台湾へ行くことにした。台湾はこれといって見所なく、二度目だしあまり気合が入らないところだが、高速列車には一度乗っておきたいところ。韓国の高速列車と同様に、台湾も欧州技術で導入が進んでいたが、ICEの大事故、台湾地震などから紆余曲折があり、地上システムは欧州で、車両は日本の東海道新幹線700系という折衷案になった。

新幹線とは、地上システムまですべて含めてこそ新幹線と名乗れるという細かいことを言う人がいるが、日本の新幹線技術が初めて海外に出たのだからそう呼んでも良いのでは無かろうか。ちなみに、中国にも東北新幹線はやてのE2系が走っているが、これは高速列車ではなく、最高160km/hの普通の特急列車である。今年の夏には台北駅が開業し、高雄近くの左營(Zuoying)まで、今まで5時間かかっていたところ、最短96分で結ぶ。

いつものごとく三連休だとマイルで飛行機が取れないので、土日に一日つけて台湾へ向かう。前回も高雄まで行っており、ただ高雄を単純往復するだけではつまらない。今年の夏からJR九州の885系かもめが走り始めているので、これにも乗ってみたいところ。ということで、一日半で台湾を一周する工程にした。

しかし、地元の新聞記事によると、阿里山と並ぶ観光地太魯閣に向かうのに、今まで3時間かかっていたのが2時間に短縮されたことから、台湾人にも大人気で旅行会社が全部押さえてしまうと言う。しかも、個人枠まで人海戦術で全部押さえてしまうほどの人気ぶり。現在のところ、全席指定で立席は無いらしい。当日の座席ゲットに期待しよう。ホテルは定番の旅webで適当に選ぶ。一万円もしないのはまだまだ物価は安い。列車はすべて現地調達だから、これにて出発準備完了である。

台湾は天気が良いようだが東京は雨。久しぶりの傘をさして出発となった。10時出発なので、8時半くらいに成田空港に着きたいところだが、この時間は特急ばかりで快速の良い列車が無い。で、成田エクスプレスで行くことになるのだが、学生なんだか社会人の慰安旅行なんだか、朝の6時から缶ビールを片手に駅のホームで大騒ぎな団体が。こいつらと同じ車両になったら辛いなと思ったら案の定、最悪な出発となった。列車の中はすっかり居酒屋状態で大騒ぎ。観光バスの感覚なのだろう。

今時は自分たちが楽しめればそれで良いのだから、モラルを語るだけ無理な話で。列車には静かに乗りましょうという法律を作らないとだめだ。なんともおかしな国になってしまったものだ。外国人もたくさん乗る列車で、こうして日本のイメージは悪くなって行く。アメリカに行くといつもいやな思いをして、イメージが悪くなっていくのと同じようなものだろう。

成田空港には定刻に到着した。最近は随分とeチケットが増えてきて、自動チェックインを使う人が多くなったのだけれど、使い方が分からない人ばかりで列ができていて、係の人に教えてもらいながらやっている。これなら、カウンターに行ってやってくれよと思う。自動チェックイン機の数が少なすぎるという問題もあるのだが。これからは、駅でチェックインした方がよさそうだ。

JAL

出国審査でも少し列ができていたが、なんとか出国できた。今回はJALグループなので、出発まではラウンジでくつろぐことができた。飛行機は定刻に出発し、あまり滑走路渋滞が無かったためか、定刻より少し早めに3時間45分で到着した。

日本のあちらこちらから同じような時間に到着するものだから、入国審査は日本人ばかりで長蛇の列。なんでこんなにたくさんの人がくるのだろうかと不思議に思う。エステとか安いからって海外まで来るなら、航空券代を考えれば日本でやった方が安いと思うのだが。結局どこでも良いから海外に行きたいだけの人が多いのだろうか?

入国審査が終わったら、まずは両替をする。レートは1元(NT$:ニュー台湾ドル)が3.6円。まずまずのレートだ。ちなみに、日本のトラベレックスで両替をしていたら3.9円だ。やっぱり、現地で両替するのが基本。台北までのバスは125元(450円)。やっぱり、物価は1/3程度のようだ。前回6年前に残ったお札を出したら使えないという。どうやらお札が新札に切り替わって、昔のお札は台湾銀行で新しいお札に交換してもらわないといけないらしい。たかが千円分くらいなので、空港に戻ってきてから両替することにして、とりあえず先ほど両替したお札でバスに乗車する。

一時間ほどで懐かしの台北駅に到着した。どっしりした駅舎は健在で、二つのホームを普通の在来線である台湾鉄路(略して台鉄)が、もう二つを台湾高速鉄路(略して高鉄)が利用している。それぞれの改札は別になっているので、行き来することはできない。ちなみに、日本とは違って在来線と新幹線は全くの別会社が運営している。一時間後の列車にして、チケットを購入。片道1490元(5,200円)で安い。

高速鉄路

一本前の新幹線を見送りにホームに降りてみる。日本の700系はかものはしのような変な顔をしているのだが、台湾の700T系はずんぐりむっくりという感じがする。それも、路線がフランス方式で、トンネルの入り口がかなりゆとりを持って大きく作られているため、空気抵抗を減らす必要がないのだ。日本は国土と工事を考えて小さいトンネルを目指したので、トンネルに入るときに大きな音を発生させない工夫が必要になる。

台湾駅では、列車ごとに階段が開く仕組みになっており、勝手に違うホームに降りたものだから戻れない。出口方面から隣のホームに移動しようとすると、お兄さんお姉さんに見つかってこっちのホームだと教えられたり、さらにはホームで待たないで上に行ってくださいと日本語で言われたり、まぁ親切なのか怒られているのか良く分からない。それにしても新しい会社だけに、駅員などが皆若い。日本ではグリーンアテンダントくらいしか若い人は見かけないが、高鉄ではほぼ全ての人が若くて美人にイケメン揃い。

やっとのことで、出発時間前になって、新幹線に乗り込む。中の作りは全く700系とおなじ。走り始めても全く日本の新幹線と変わらない。案内もぱっと見漢字が書いてあるから普通に日本に居るみたい。乗客はぱらぱら程度でかなりガラガラ。土曜日の昼だから、あまり乗客はいないのだろうか。

東京から上野くらいの距離で板橋までは地下を走り、そこを出れば本領発揮。高速運転が始まる。海外の高速列車というと、プッシュプルのTGV型が主流で静かなものだから、全車電動車方式の新幹線を海外で乗れるとは、かなり驚きがある。戦闘機のような空気を切る音も聞こえる。唯一違う点は、トンネルに入る時の安定度。トンネルが大きいせいで、入る時の圧力は全く感じない。

板橋以外は台中しか停まらないかっとび新幹線なので、とにかく速い。最高速度300km/hの表示も出る。到着案内は、韓国のKTXでは日本語があったが、こちらはないようだ。それもそのはず、北京語、台湾語、客家語、英語とアナウンスが長いので、日本語を追加する余裕は無い。

高速鉄路

終点の左營には定刻に到着した。自然光を取り入れた明るい駅で、併設して台湾鉄路の新左營駅がある。日本では新幹線の方が新駅になりそうなものだが、実は台鉄にも左營駅があるというややこしい状況になっている。新左營から高雄までは10分くらいの距離だが、列車が一時間に数本しかない。その中でも快速列車は一本くらいしかない。現在、MRTを作っているようだが、完成するまではバスやタクシーを利用した方が便利だろう。

快速列車に乗って10分、高尾駅に到着した。前駅と後駅があって、ホテルは後駅の目の前。はて、昔来たときこんな駅の構造だったかなと考えてみると、どうやら再開発で駅が新しくなり、出口が二つできたようだ。昔の駅舎は無くなっていて、微妙に中途半端な駅ビルになっていた。ホテルにチェックインしたら、夕食を食べに出かける。

台湾に来たら、もちろん屋台。町中の夜市に出かけるのに、入場券を買って駅の中を通っていかなければならないが、6元(21円)ならまぁいいか。駅から徒歩10分ほどの所にある前にも来た六合夜市へ。かなりたくさん屋台が並んでいて、食べものも様々。歩いていると、選びきれなくて困ってしまう。そんな中でよく見かける[魚善]魚意麺([]は一文字)はなんだろうと食べてみる。70元(250円)もして屋台料金としてはかなり高い上、まっ赤な何かの魚を焼きそば風の麺に絡めている。食べてみればなんとウナギだった。田ウナギという台湾独特のウナギで、台南名物だとか。

六合夜市

ちなみに、台南担仔麺もかなりあちこちで見かけた。日本語でタンタンメンと書いてある店があって、なんでかな〜と思っていたが、タンツーメンの間違い。その後餃子を食べて、最後に、青蛙鐘妙[女乃]って、蛙の卵、えぇ?と思ったが、どうやら昔流行したタピオカジュースのようだ。いろいろ組み合わせが出来るのだが、基本的には全部入り、黒砂糖に紅豆はあずきだった。

安くて楽しくて、やっぱり屋台をぶらぶらするのは楽しい。帰りに明日の列車の予約をしてみるが、なんと予定していた列車二本とも満席。とりあえず出直そうと思っても、高雄〜花蓮までは立ち席で乗れるものの、5時間もかかる。花蓮〜台北は、台湾のかもめに乗るのが目的だが、現在は全席指定で予約が取れなければ乗れもしない。事前情報通りだったか・・・。こうなったら、明日は高速鉄路で台北へ戻るのみ。


戻る |

【目次】
高速鐵路
太魯閣号
台北